退職の解放感に浸るのも束の間、翌日から待っているのが「役所での手続き」です。
面倒だからと後回しにしていませんか? これらを放置すると、「病院で保険証が使えない」「将来の年金が減る」「忘れた頃に高額な税金の請求が来る」といったトラブルに見舞われます。逆に、しっかり手続きをすれば、失業保険などで生活を支えてもらうことができます。
この記事では、退職後に必ず行わなければならない4つの手続き(雇用保険、健康保険、年金、税金)をまとめて解説します。何から手をつければいいか分からない時のチェックリストとして活用してください。
1. 退職後の手続きチェックリスト
まずは全体像を把握しましょう。退職後に行う主な手続きは以下の4つです。
雇用保険(失業保険)
- 内容:失業手当をもらうための申請
- 場所:住所地を管轄するハローワーク
- 期限:離職票が届き次第なるべく早く
健康保険
- 内容:会社の保険から、国民健康保険などに切り替える
- 場所:市役所(区役所)または協会けんぽ、親族の勤務先
- 期限:退職日の翌日から14日以内
国民年金
- 内容:厚生年金から国民年金へ切り替える
- 場所:市役所(区役所)
- 期限:退職日の翌日から14日以内
住民税
- 内容:給料天引きから、自分で納付(普通徴収)へ切り替える
- 場所:市役所(区役所)
- 期限:会社の手続きによる(後日納付書が届く)
2. 失業保険(失業手当)をもらう手続き

次の仕事が決まっていない場合、当面の生活費となるのが「失業保険(基本手当)」です。
手続きには、会社から送られてくる「離職票(りしょくひょう)」が必要です。退職後10日〜2週間ほどで郵送されてくるのが一般的ですので、届いたらすぐに自分の住所を管轄するハローワークへ行きましょう。
もらえる条件と期間
失業保険は誰でももらえるわけではありません。「働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態」であることが前提です。
- 会社都合退職(解雇・倒産など):待機期間(7日間)の後、すぐに受給開始。
- 自己都合退職(個人的な理由):待機期間(7日間)+給付制限期間(2ヶ月〜3ヶ月)が経過してから受給開始。
自己都合退職の場合、実際にお金が振り込まれるまで3ヶ月近くかかることもあるため、当面の貯金は必須です。
3. 健康保険の切り替え(3つの選択肢)
日本は「国民皆保険」なので、退職翌日から必ず何らかの健康保険に入らなければなりません。選択肢は3つあります。
① 任意継続(今の保険を続ける)
在職中に入っていた健康保険を、個人で最大2年間継続する方法です。 メリットは給付内容が手厚いことですが、保険料は「全額自己負担(会社負担分がなくなる)」となるため、在職時の約2倍になります。
② 国民健康保険に切り替える
自営業者や無職の人が加入する保険です。市役所で手続きします。 前年の所得によって保険料が決まるため、高所得だった人は高額になる可能性があります。また、扶養家族が多い場合は、人数分保険料がかかるため割高になるケースが多いです。
③ 家族の扶養に入る
配偶者や親などが働いていて社会保険に入っている場合、その「被扶養者」になる方法です。 最大のメリットは「保険料がかからない」ことです。ただし、「年収130万円未満」などの条件があります。
どれがお得?
- 扶養に入れるなら、迷わず「③扶養」が一番お得です。
- 扶養に入れない場合、「①任意継続」と「②国民健康保険」のどちらが安いかは、役所の窓口で試算してもらうか、ネットのシミュレーションサイトで比較することをおすすめします。
4. 国民年金への切り替え
会社員時代は「厚生年金」に加入していましたが、退職後は「国民年金(第1号被保険者)」への切り替えが必要です。
退職日の翌日から14日以内に、年金手帳と離職票(または退職証明書)を持って、市役所の国民年金窓口で手続きを行います。
支払いが厳しい場合
収入がなくなり保険料を払うのが難しい場合は、「免除・納付猶予制度」があります。未納のまま放置すると、将来の年金が減ったり、障害年金が受け取れなくなったりするリスクがあるため、払えない場合でも必ず窓口で「免除申請」の相談をしてください。
5. 住民税の支払いに注意

退職後、一番驚かれるのが「住民税」です。 住民税は「前年の所得」に対して課税され、翌年の6月から支払う仕組みになっています。つまり、退職して無職になり収入がゼロになっても、前年に稼いでいれば、その分高い税金の請求がやってきます。
会社員時代は給料から天引きされていましたが、退職後は自宅に納付書が届き、自分で支払う(普通徴収)ことになります。数万円単位の請求がまとめて来ることがあるので、その分のお金は必ず残しておきましょう。
まとめ:手続きを終わらせて、安心して次のステップへ
退職後の手続きは複雑で気が滅入るかもしれませんが、これらはあなたの生活を守るための大切なセーフティネットです。
特に「失業保険の申請」と「年金の免除申請」は、知っているかどうかで数十万円の差が出ることもあります。
離職票が届いたら、まずはハローワークと市役所へ行く日をスケジュール帳に書き込みましょう。面倒な手続きを早めに終わらせて、スッキリとした気持ちで新しい一歩を踏み出してください。
